レクサスRXの維持費は年いくら?モデル別の違いと節約術を解説

高級SUVの代名詞として知られるレクサス、その中でも特に人気の高いモデルがRXです。洗練されたデザインと卓越した走行性能は多くのドライバーを魅了しますが、オーナーになることを考えたとき、現実的な問題として維持費が気になるところではないでしょうか。
特に近年では、頻繁なモデルチェンジによって新型が登場し、パワートレインも多様化しています。これからオーナーを目指す方にとって、購入後の失敗や後悔を避けるためには、燃費や税金といった具体的な費用を事前に把握しておくことが欠かせません。
また、中古車の購入を検討している場合、故障のリスクやメンテナンス費用がどの程度かかるのかも知りたいポイントでしょう。この記事では、レクサスRXの維持にかかる費用について、様々な角度から掘り下げていきます。ご自身の年収と照らし合わせながら、最適な一台を見つけるための参考にしてください。
- レクサスRXの維持費を構成する具体的な内訳
- パワートレインごとの年間維持費シミュレーション
- 維持費を賢く抑えるための実践的な方法
- 中古車を選ぶ際に注意すべき維持費のポイント
レクサスRXの維持費を構成する主な内訳

レクサスRXを所有するために必要な維持費の内訳を詳しく解説します。
- 年間で必要な自動車税の金額
- 重量税などを含む車検費用の目安
- 燃費から試算する年間のガソリン代
- 年齢や等級で変動する任意保険の相場
- 定期点検などのメンテナンス費用
- 月々にかかる駐車場代の平均
- タイヤやオイルなど消耗品の交換費用
年間で必要な自動車税の金額
レクサスRXを所有する上で、毎年必ず発生するのが自動車税(種別割)です。この税額は、搭載されているエンジンの総排気量によって決まります。
現行モデルのレクサスRXは、どのパワートレインを選択しても総排気量が2.0L超~2.5L以下の区分に該当するため、基本的な年税額は43,500円です。
エンジン排気量 | 2019年9月30日以前登録 | 2019年10月1日以降登録 | 該当モデル |
2,001cc~2,500cc | 45,000円 | 43,500円 | RX500h, RX450h+, RX350h, RX350 |
ただし、RX450h+やRX350hのようなハイブリッドモデルは、環境性能に優れているため「エコカー減税」の対象となり、購入翌年度の自動車税が軽減される場合があります。例えば、RX450h+はグリーン化特例により、新規登録の翌年度はおおむね75%軽減され、税額は11,000円程度になることが考えられます。
このような税金の優遇措置は、長期的な維持費を考える上で大きなメリットです。一方で、中古車などで新規登録から一定期間が経過した車両には適用されないため、注意が必要です。
重量税などを含む車検費用の目安
車を所有し続けるためには、定期的に車検(自動車検査登録制度)を受ける義務があります。レクサスRXの場合、新車登録時は3年後、以降は2年ごとに車検が必要です。
車検費用は、大きく分けて「法定費用」と「車検基本料・整備費用」の2つで構成されます。
法定費用
法定費用は、国に支払う税金や保険料であり、どこで車検を受けても金額は一律です。
- 自動車重量税: 車両重量に応じて課税されます。RXの車両重量はモデルによりますが、おおむね1.5t超~2.0t以下の区分に該当します。この場合の税額は32,800円(2年分)ですが、ハイブリッドモデルはエコカー減税により免税または減税される場合があります。
- 自賠責保険料: 全ての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。24ヶ月契約で17,650円(2023年4月改定時点)となります。
- 印紙代: 検査手数料として支払うもので、指定工場か認証工場かによって異なり、2,300円程度が目安です。
車検基本料・整備費用
こちらは、車検を依頼する業者(ディーラー、車検専門店、ガソリンスタンドなど)に支払う費用です。点検作業や事務手数料などが含まれ、業者によって金額が大きく異なります。
レクサス正規ディーラーで車検を受ける場合、質の高い点検と純正部品による整備が受けられる安心感がある一方、費用は高くなる傾向にあり、整備費用を含めると5万円~10万円以上かかることも珍しくありません。対照的に、民間の車検専門店などでは、費用を抑えることが可能です。
したがって、車検費用は法定費用と整備費用を合わせて、おおよそ10万円~20万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
燃費から試算する年間のガソリン代
維持費の中でも変動が大きく、日々の使い方によって差が出るのがガソリン代です。レクサスRXは、複数のパワートレインが用意されており、それぞれ燃費性能と使用する燃料(ハイオクかレギュラーか)が異なります。
ここでは、年間走行距離を10,000kmと仮定し、各モデルのガソリン代を試算します。
モデル | WLTCモード燃費 | 使用燃料 | 1Lあたりの価格(仮) | 年間ガソリン代(概算) |
RX500h | 14.4 km/L | ハイオク | 190円 | 約131,944円 |
RX450h+ | 18.8 km/L | レギュラー | 180円 | 約95,745円 |
RX350h | 20.2 km/L (AWD) | レギュラー | 180円 | 約89,109円 |
RX350 | 11.2 km/L (AWD) | ハイオク | 190円 | 約169,643円 |
このように、純ガソリンモデルのRX350とハイブリッドモデルのRX350hとでは、年間のガソリン代に約8万円もの差が生まれる可能性があります。ご自身のライフスタイルや走行距離を考慮して、どのパワートレインが経済的かを判断することが大切です。
年齢や等級で変動する任意保険の相場
自賠責保険だけではカバーしきれない損害に備えるため、任意保険への加入は必須と言えます。任意保険料は、年齢、運転免許証の色、ノンフリート等級、車両保険の有無、補償内容など、様々な要因で大きく変動します。
レクサスRXは車両価格が高いため、車両保険を付帯すると保険料も高額になる傾向があります。
年代別の保険料目安(年間)
- 20代: 等級が低く事故率も高いため、最も保険料が高くなります。車両保険を付けると20万円を超えることも珍しくありません。
- 30代~40代: 等級が進み、保険料が比較的安定してくる年代です。補償内容にもよりますが、10万円~15万円程度が一つの目安と考えられます。
- 50代以降: さらに等級が進み、ゴールド免許であれば保険料は安くなる傾向にあります。7万円~12万円程度が相場と言えるでしょう。
これはあくまで一般的な目安であり、実際の保険料は個別の条件によって大きく異なります。保険料を抑えるためには、複数の保険会社から見積もりを取り比較検討することや、運転者の範囲を限定する、不要な特約を外すなどの工夫が求められます。
定期点検などのメンテナンス費用
車の良好なコンディションを維持し、故障を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。レクサスでは、新車購入時に「レクサス・メンテナンス・プログラム(LMSP)」が付帯します。
これは、新車登録から3年間(走行距離60,000kmまで)、レクサスが指定した点検とメンテナンスを無料で受けられるサービスです。具体的には、1ヶ月点検、6ヶ月点検、そして12ヶ月ごとの定期点検(計3回)が含まれ、エンジンオイルやオイルフィルター、ワイパーゴムなどの交換もプログラムに含まれています。
このため、新車購入から最初の車検までの3年間は、基本的なメンテナンス費用を大きく抑えることが可能です。
ただし、3年目以降は有料のメンテナンスとなるため、注意が必要です。ディーラーでの12ヶ月点検は、交換部品にもよりますが、3万円~6万円程度が目安となります。
見落としがちな駐車場代の平均
自宅に駐車スペースがない場合、月極駐車場を契約する必要があります。この駐車場代は、維持費の中でも大きな割合を占める可能性がある項目です。
駐車場代は地域によって相場が大きく異なります。
- 東京都心部: 5万円~8万円以上することも珍しくありません。
- 地方都市: 1万円~3万円程度が相場です。
- 郊外や地方: 5,000円~1万円程度で見つかる場合もあります。
年間で考えると、都心部では60万円以上、地方都市でも12万円以上の出費となります。レクサスRXは車体も大きいため、機械式駐車場などではサイズ制限で入庫できないケースもあります。事前に駐車場のサイズを確認しておくことも大切です。
タイヤやオイルなど消耗品の交換費用
車を長く乗るためには、定期的な消耗品の交換が欠かせません。特にレクサスRXのような大型SUVでは、タイヤなどの費用が高額になる傾向があります。
タイヤ交換
レクサスRXは、モデルやグレードによって19インチまたは21インチの大径タイヤを装着しています。タイヤは車の安全性能に直結する重要なパーツですが、交換費用は決して安くありません。
21インチのタイヤの場合、国内外の有名ブランドを選ぶと、4本セットで20万円~35万円程度が相場です。タイヤの寿命は走行距離や運転スタイルによりますが、おおむね3年~5年、走行距離30,000km~50,000kmが交換の一つの目安です。
エンジンオイル交換
エンジンオイルは、車の血液とも言える重要な消耗品です。定期的な交換を怠ると、燃費の悪化やエンジントラブルの原因となります。
前述の通り、新車から3年間はLMSPに含まれていますが、それ以降は有料です。ディーラーで交換する場合、オイル代と工賃を合わせて1回あたり15,000円~25,000円程度が目安です。交換頻度は、走行5,000km~10,000km、または半年に1回が推奨されています。
その他にも、バッテリーやブレーキパッド、エアフィルターなど、走行距離に応じて様々な消耗品の交換が必要になることを念頭に置いておくべきです。
モデル別に比較するレクサスRXの維持費

レクサスRXの維持費はパワートレインによってどう変わるのか、モデルごとの特徴と合わせて比較します。
- 高性能モデルRX500hの維持費
- PHEVモデルRX450h+の維持費
- ハイブリッドモデルRX350hの維持費
- ガソリンモデルRX350の維持費
- 賢く考えるレクサスRXの維持費
高性能モデルRX500hの維持費
RX500h “F SPORT Performance”は、2.4Lターボエンジンと高出力モーターを組み合わせた、シリーズで最もスポーティなモデルです。システム最高出力371PSという圧倒的なパワーを誇り、ダイナミックな走りを追求するユーザーに適しています。
その性能と引き換えに、維持費は他のモデルよりも高くなる傾向があります。まず、燃費はWLTCモードで14.4km/Lであり、RX350h(AWDで20.2km/L)と比較すると見劣りします。さらに、使用燃料がハイオクガソリンであるため、日々の燃料代はかさむでしょう。
また、専用の高性能ブレーキや21インチタイヤなどを標準装備しており、これらの消耗品を交換する際の費用も高額になります。
一方で、自動車税は他のモデルと同じ43,500円(年間)であり、ハイブリッドであるため重量税の減税措置を受けられる可能性があります。走りの楽しさを最優先し、維持費の高さを受け入れられる方向けのモデルと言えます。
PHEVモデルRX450h+の維持費
RX450h+は、外部から充電が可能なプラグインハイブリッドモデルです。大容量のバッテリーを搭載し、満充電の状態であればWLTCモードで86kmのEV走行が可能です。
このモデルの最大のメリットは、日々の移動をほぼ電気だけで賄える点にあります。通勤や買い物といった近距離移動がメインであれば、ガソリンをほとんど使わずに運用でき、燃料代を劇的に節約できます。自宅に充電設備を設置できる環境が前提となりますが、その条件を満たせるユーザーにとっては最も経済的な選択肢となり得ます。
燃費もWLTCモードで18.8km/Lと良好で、使用燃料がレギュラーガソリンなのも嬉しいポイントです。税金面でもエコカー減税の恩恵が最も大きく、自動車税や重量税が大幅に軽減されます。
ただし、車両本体価格がシリーズで最も高価である点や、将来的に駆動用バッテリーの交換が必要になった場合の費用などを考慮に入れる必要があります。
ハイブリッドモデルRX350hの維持費
RX350hは、2.5Lエンジンとモーターを組み合わせたスタンダードなハイブリッドモデルです。燃費性能と動力性能のバランスに優れており、多くの方にとって最適な選択肢となり得るでしょう。
燃費はAWDモデルで20.2km/Lと、シリーズの中で非常に優秀です。使用燃料もレギュラーガソリンのため、燃料代を効果的に抑えることができます。税金面でもエコカー減税の対象となり、自動車税や重量税の負担が軽くなります。
特別な充電設備は不要で、純ガソリン車と同じように運用できる手軽さも魅力です。車両価格もRX500hやRX450h+に比べて抑えられており、初期費用とランニングコストのトータルで考えると、非常にコストパフォーマンスが高いモデルです。
目立った欠点が少なく、静粛性の高い快適な走りから経済性まで、幅広いニーズに応えられる万能さがRX350hの強みと考えられます。
ガソリンモデルRX350の維持費
RX350は、2.4Lターボエンジンを搭載した純ガソリンモデルです。ハイブリッドシステムを搭載しない分、車両本体価格がシリーズで最も安価な点が最大のメリットです。
初期費用をできるだけ抑えたい方や、年間の走行距離がそれほど多くない方にとっては、合理的な選択肢となります。ターボエンジンならではの力強い加速感も魅力の一つです。
一方で、維持費の面では他のモデルに対して不利な点が多く見られます。燃費はAWDモデルで11.2km/Lと、ハイブリッドモデルに大きく劣ります。さらに使用燃料がハイオクガソリンのため、走行距離が伸びるほど燃料代の負担は重くなります。
また、エコカー減税の対象外となるため、自動車税や重量税の優遇措置も受けられません。購入時の価格差が、数年間の維持費の差で逆転してしまう可能性も十分に考えられるため、自身のカーライフをよくシミュレーションした上で選択することが求められます。
賢く考えるレクサスRXの維持費
ここまで見てきたように、レクサスRXの維持費は様々な要素で構成されています。これらの費用を賢く管理し、無理なくRXを所有し続けるためのポイントは、支出を最適化することです。
任意保険の見直し
任意保険は、毎年見直しを行うことで保険料を節約できる可能性があります。同じ補償内容でも保険会社によって保険料は異なるため、複数の会社から見積もりを取る「相見積もり」は非常に有効です。また、運転者の範囲を本人や家族に限定したり、不要な特約を外したりすることも節約に繋がります。
メンテナンス先の選定
新車購入から3年間のLMSP終了後、メンテナンスをどこに依頼するかも重要な選択です。安心感を重視するなら正規ディーラーが最適ですが、費用を抑えたい場合は、信頼できる民間の整備工場を探すのも一つの手です。純正品にこだわらなければ、OEM品や優良な社外品を活用することで、部品代を抑えることも可能になります。
中古車の活用
初期費用を抑える方法として、中古車の購入も有効な選択肢です。特に、認定中古車である「CPO(Certified Pre-Owned)」は、レクサスが定める厳格な基準をクリアした高品質な車両であり、手厚い保証も付帯するため安心して選ぶことができます。ただし、年式が古いモデルは燃費性能が劣る場合や、消耗品の交換時期が近い場合もあるため、車両の状態をしっかり見極めることが大切です。
以上の点を踏まえ、自身の予算やライフスタイルに合った最適なプランを立てることが、豊かなレクサスRXライフを送るための鍵となります。
総額で考えるレクサスRXの維持費
レクサスRXの維持費について多角的に解説してきましたが、最後にこの記事の要点をまとめます。
- レクサスRXの維持費は主に税金、保険料、燃料代、メンテナンス費で構成される
- 自動車税は全モデル共通で年間43,500円が基本
- ハイブリッドモデルはエコカー減税により税金が優遇される
- 車検費用は法定費用と整備費用を合わせて10万円から20万円が目安
- ガソリン代はモデルによって年間で8万円以上の差が出る可能性がある
- 任意保険料は年齢や等級、車両保険の有無で大きく変動する
- 新車購入から3年間は無料のメンテナンスプログラムが付帯する
- 駐車場代は地域によって年間で数十万円の差になることも
- 21インチタイヤの交換費用は20万円を超える場合がある
- RX500hは走りに特化している分、燃料代や消耗品費が高くなる傾向
- RX450h+は充電環境があれば燃料代を大幅に節約できる
- RX350hは燃費と価格のバランスが取れた最も経済的なモデル
- RX350は車両価格が安いがランニングコストは割高になる
- 維持費を抑えるには任意保険の見直しやメンテナンス先の選定が有効
- 認定中古車CPOは初期費用を抑えつつ安心して乗れる選択肢の一つ