レクサスRXの燃費は悪い?モデル別の違いと改善策を徹底解説

高級SUVの代名詞として、多くのドライバーが憧れるレクサスRX。その洗練されたデザインと卓越した走行性能は、所有する喜びを十分に満たしてくれます。しかし、購入を検討する際に「レクサスRXは燃費が悪い」という評判を耳にして、不安に感じている方も少なくないのではないでしょうか。
実際のところ、燃費性能は一概に「悪い」と片付けられるものではありません。レクサスRXには、パフォーマンス志向のRX500h、電動走行が魅力のRX450h+、燃費と走りのバランスに優れたRX350h、そしてパワフルなガソリンモデルのRX350と、それぞれ特性の異なるパワートレインが用意されています。そのため、モデルごとの燃費の違いを正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合った一台を選ぶことが、購入後の満足度に繋がります。
この記事では、「レクサスRXの燃費が悪い」という評判の真相に迫りながら、各モデルの具体的な燃費性能、競合車種との比較、そして燃費を向上させるための実践的な方法まで、専門的な視点から詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができます。
- レクサスRXの燃費が悪いと言われる本当の理由
- モデルごとのカタログ燃費と実燃費の具体的な数値
- 競合する他の高級SUVと比べた場合の燃費性能
- 日常の運転で燃費を向上させるための実践的な方法
レクサスRXの燃費が悪いという評判を徹底検証

ここでは、レクサスRXの燃費性能について、多角的な視点から検証していきます。
- カタログ燃費と実燃費のギャップとは
- 競合する高級SUVとの燃費を比較
- パワフルなRX500hの気になる燃費
- プラグインハイブリッドRX450h+の実力
- バランスの取れたRX350hの燃費性能
- ガソリンモデルRX350の燃費はどうか
カタログ燃費と実燃費のギャップとは
車の燃費を語る上で、まず理解しておくべきはカタログ燃費と実燃費の違いです。カタログに記載されている燃費(WLTCモード)は、国際的に定められた統一試験条件下で測定された数値であり、異なる車種の燃費性能を公平に比較するための重要な指標となります。
しかし、この測定は特定の条件下で行われるため、私たちが日常的に車を運転する際の実燃費とは必ずしも一致しません。実燃費は、運転の仕方(急発進・急加速の有無)、走行環境(市街地、郊外、高速道路の割合)、エアコンの使用状況、乗車人数や荷物の量など、様々な要因によって変動します。
例えば、渋滞の多い市街地を中心に走行する場合、WLTCモードの市街地モード燃費に近い数値になりますが、信号の少ない郊外や高速道路をスムーズに走行すれば、カタログ値を超える良好な燃費を記録することも少なくありません。
したがって、「カタログ燃費より悪い」と感じる場合でも、それは必ずしも車自体の問題ではなく、使用状況に起因することが多いと考えられます。レクサスRXの燃費を評価する際も、このギャップを念頭に置くことが大切です。
競合する高級SUVとの燃費を比較
レクサスRXの燃費性能を客観的に評価するため、同クラスの競合SUVと比較してみましょう。ここでは、トヨタ ハリアー、マツダ CX-60、そして輸入車の代表格であるBMW X3のハイブリッドモデルやディーゼルモデルを比較対象とします。
車種 | パワートレイン | 駆動方式 | 燃費(WLTCモード) |
レクサス RX350h | 2.5L ハイブリッド | FF | 20.2 km/L |
レクサス RX350h | 2.5L ハイブリッド | AWD | 18.7 km/L |
トヨタ ハリアー | 2.5L ハイブリッド | E-Four | 21.6 km/L |
マツダ CX-60 | 3.3L ディーゼルハイブリッド | AWD | 21.0 km/L |
BMW X3 xDrive20d | 2.0L ディーゼル | AWD | 14.9 km/L |
このように表で比較すると、レクサスRXのハイブリッドモデル(RX350h)は、車格や重量を考慮すると、競合車種と比較して決して見劣りしない燃費性能を持っていることが分かります。特に、マツダCX-60のディーゼルハイブリッドは軽油を使用するため燃料代の面で有利ですが、純粋な燃費数値ではRX350hも非常に高いレベルにあると言えます。
輸入車であるBMW X3は走行性能に定評がありますが、燃費性能においては国産ハイブリッドモデルに分があります。これらの比較から、「レクサスRXの燃費が悪い」というイメージは、必ずしも全てのモデルに当てはまるわけではないことが明確になります。
パワフルなRX500hの気になる燃費
RX500h “F SPORT Performance”は、レクサスが走りの楽しさを追求して開発した高性能モデルです。2.4Lターボエンジンと高出力モーターを組み合わせた新開発のハイブリッドシステム「DIRECT4」を搭載し、システム最高出力は273kW(371PS)にも達します。
その力強い加速性能と引き換えに、燃費性能は他のハイブリッドモデルに比べて控えめです。
- カタログ燃費(WLTCモード): 14.4 km/L
- 実燃費の目安: 10.0~12.0 km/L
この数値は、燃費を最優先するユーザーにとっては物足りなく感じるかもしれません。しかし、RX500hの真価は、アクセルを踏み込んだ際のダイレクトな応答性と、四輪駆動力を自在に制御することによる安定したコーナリング性能にあります。
燃費性能と圧倒的な動力性能はトレードオフの関係にあるため、RX500hは「燃費も気にしつつ、走りも妥協したくない」という、パフォーマンスを重視するドライバー向けの選択肢と考えられます。
プラグインハイブリッドRX450h+の実力
RX450h+は、大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載したプラグインハイブリッド(PHEV)モデルです。PHEVの最大のメリットは、外部からバッテリーを充電することで、エンジンを使わずに電気モーターだけで長距離を走行できる点にあります。
- ハイブリッド燃費(WLTCモード): 18.8 km/L
- EV走行換算距離(WLTCモード): 86 km
- 実燃費の目安:
- EV走行主体の場合: 50 km/L以上も可能
- ハイブリッド走行時: 15.0~17.0 km/L
公式サイトによると、満充電状態からであれば86kmのEV走行が可能です。このため、日常的な買い物や通勤といった片道40km程度の移動であれば、ほとんどガソリンを使わずに電気自動車として運用できます。この点が、RX450h+が持つ最大の魅力です。
ただし、その性能を最大限に活かすためには、自宅や職場に充電設備があることが前提となります。充電環境がない場合や、長距離移動がメインでエンジン走行が多くなると、PHEVならではのメリットを享受しにくくなる点には注意が必要です。
バランスの取れたRX350hの燃費性能
RX350hは、2.5Lエンジンを搭載したシリーズハイブリッドモデルで、多くのユーザーにとって燃費と走行性能のバランスが最も取れた選択肢と言えるでしょう。モーターによる滑らかな発進と、エンジンが効率の良い領域で作動するシステムにより、大柄なボディサイズを感じさせない優れた燃費を実現しています。
- カタログ燃費(WLTCモード):
- FF: 20.2 km/L
- AWD: 18.7 km/L
- 実燃費の目安: 14.0~17.0 km/L
特に市街地でのストップ&ゴーが多い場面では、ハイブリッドシステムの恩恵を大きく受けられます。また、静粛性も非常に高く、レクサスならではの上質な乗り心地を存分に味わうことができます。
「高級SUVらしい快適な走りと、優れた経済性を両立させたい」と考える方にとって、RX350hは非常に満足度の高いモデルです。駆動方式はFF(前輪駆動)とAWD(四輪駆動)から選べますが、降雪地域にお住まいでない限り、燃費性能で有利なFFモデルが合理的な選択となります。
ガソリンモデルRX350の燃費はどうか
RX350は、2.4Lターボエンジンを搭載した純ガソリンモデルです。ターボならではの力強いトルクと、ダイレクトな加速フィールが最大の魅力であり、運転の楽しさを重視するユーザーから支持されています。
その一方で、燃費性能はハイブリッドモデルに及ばないのが実情です。
- カタログ燃費(WLTCモード):
- FF: 11.8 km/L
- AWD: 11.2 km/L
- 実燃費の目安: 8.0~10.0 km/L
「レクサスRXの燃費が悪い」という評判は、このガソリンモデルのイメージから来ている部分もあるかもしれません。特に市街地走行がメインになると、実燃費は1桁台になることも想定されます。
しかし、RX350にはハイブリッドモデルよりも車両価格が抑えられているというメリットがあります。年間の走行距離がそれほど多くなく、初期費用を抑えたい場合や、ハイブリッドシステムにはないエンジンの鼓動やフィーリングを重視する場合には、RX350も十分に魅力的な選択肢です。
レクサスRXの燃費が悪いと感じる前に知るべきこと

ここでは、車のコンディションや運転方法など、燃費に影響を与える要因と、その改善策について解説します。
- 燃費が悪化しやすい運転の仕方とは
- 日常の運転で燃費を向上させるコツ
- 走行モードの最適な使い分けを紹介
- タイヤ空気圧が燃費に与える影響
- 定期的なメンテナンスの重要性
- 用途に合ったモデル選びのポイント
- 総括:レクサスRXの燃費は本当に悪いのか
燃費が悪化しやすい運転の仕方とは
車の燃費は、ドライバーの運転一つで大きく変わります。特に以下のような運転は、無駄な燃料を消費しやすく、燃費悪化の直接的な原因となります。
急なアクセル操作
発進時にアクセルを強く踏み込む「急発進」や、走行中に頻繁にアクセルを踏み増す「急加速」は、エンジンに大きな負荷をかけ、燃料を大量に消費します。特に車重のあるSUVでは、この傾向が顕著に現れます。
急ブレーキ
車間距離を詰めすぎて急ブレーキを多用すると、せっかく運動エネルギーを使って得た速度を熱エネルギーとして無駄に捨てることになります。さらに、停止後には再び大きなエネルギーを使って加速する必要があるため、燃費の悪化に繋がります。
不必要なアイドリング
長時間の駐停車時にエンジンをかけっぱなしにするアイドリングも、燃料の無駄遣いです。近年の車にはアイドリングストップ機能が搭載されていますが、それを意図的にOFFにしている場合は燃費に影響します。
これらの運転習慣に心当たりがある場合、まずは運転の仕方を見直すことから始めるのが燃費改善の第一歩です。
日常の運転で燃費を向上させるコツ
燃費の悪化を防ぐ運転の逆を実践することが、燃費を良くするコツとなります。難しいテクニックは必要なく、少しの心がけで燃費は改善します。
まず、発進時はアクセルをゆっくりと踏み込み、時速20km程度まで穏やかに加速することを意識します。交通の流れを妨げない範囲で、ふんわりとしたアクセル操作を心がけるのがポイントです。
次に、走行中はできるだけ速度を一定に保つことが大切です。先の交通状況を予測し、不要な加減速を避けることで、エンジンを効率の良い状態で使い続けることができます。車間距離を十分に確保し、前の車が減速したら早めにアクセルを離すことで、エンジンブレーキを効果的に使うことができます。エンジンブレーキ作動中は燃料の供給がカットされるため、燃費向上に直接繋がります。
これらの穏やかな運転は、同乗者にとっても快適な乗り心地を提供し、安全運転にも貢献するため、一石二鳥の効果があると考えられます。
走行モードの最適な使い分けを紹介
レクサスRXには、走行シーンや気分に合わせて選択できる「ドライブモードセレクト」が搭載されています。この機能をうまく活用することも、燃費を向上させる上で有効な手段です。
主に、「ECO」「NORMAL」「SPORT」の3つのモードが設定されています(モデルにより名称や種類は異なります)。
- ECOモード: アクセルの操作に対する反応を穏やかにし、エアコンの効きも抑制することで、燃費を最優先するモードです。市街地の走行や、燃費を意識して走りたい時に最適です。
- NORMALモード: 燃費と走行性能のバランスが取れた標準的なモードです。どのような状況でも快適な走行が可能で、日常的な使用に適しています。
- SPORTモード: エンジンの応答性が高まり、よりダイレクトでスポーティーな走りを楽しめるモードです。山道や高速道路での合流など、力強い加速が必要な場面で効果を発揮しますが、燃費は悪化する傾向にあります。
普段はECOモードやNORMALモードを基本とし、必要な場面でSPORTモードに切り替えるといった使い分けをすることで、ドライビングの楽しさと経済性を両立させることが可能になります。
タイヤ空気圧が燃費に与える影響
意外と見落としがちなのが、タイヤの空気圧です。タイヤの空気は自然に少しずつ抜けていくため、定期的なチェックを怠ると、規定値よりも低い状態で走行することになります。
タイヤの空気圧が低下すると、タイヤの変形が大きくなり、路面との転がり抵抗が増加します。これは、常に軽いブレーキをかけながら走っているような状態であり、燃費を悪化させる大きな要因の一つです。ある調査によると、適正値から50kPa(0.5kgf/cm2)低いだけで、市街地で約2%、郊外で約4%も燃費が悪化するというデータもあります。
燃費の悪化を防ぐだけでなく、タイヤの偏摩耗を防ぎ、安全な走行を維持するためにも、最低でも1ヶ月に1回はガソリンスタンドなどで空気圧をチェックし、運転席のドア開口部などに貼られている指定空気圧に調整することが大切です。
定期的なメンテナンスの重要性
車のコンディションを良好に保つことは、燃費性能を維持する上で欠かせません。エンジンオイルやエアフィルターといった消耗品の定期的な交換は、その基本となります。
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却、洗浄といった重要な役割を担っています。オイルが劣化すると潤滑性能が低下し、エンジン内部の摩擦抵抗が増えて燃費が悪化します。メーカーが推奨する交換時期を守ることが、エンジンの性能を最大限に引き出し、燃費の維持に繋がります。
また、エアフィルター(エアクリーナーエレメント)は、エンジンが吸い込む空気に含まれるゴミやホコリを取り除く部品です。フィルターが目詰まりを起こすと、エンジンに必要な空気を十分に供給できなくなり、不完全燃焼を起こしてパワーダウンや燃費悪化の原因となります。
これらの基本的なメンテナンスを定期的に行うことが、結果的にレクサスRXの持つ本来の燃費性能を長く維持する秘訣です。
用途に合ったモデル選びのポイント
前述の通り、レクサスRXには特性の異なる複数のパワートレインが用意されています。購入後に「燃費が悪い」と後悔しないためには、ご自身の車の使い方やライフスタイルを考慮して、最適なモデルを選ぶことが何よりも肝心です。
例えば、毎日の通勤や買い物など、市街地走行がメインで走行距離も長い方であれば、ハイブリッドモデルのRX350hが最も経済的な恩恵を受けやすいでしょう。自宅に充電設備を設置できる環境にあるならば、PHEVのRX450h+を選ぶことで、燃料代を劇的に抑えることも可能です。
一方で、週末のドライブが中心で年間の走行距離は短い方や、初期費用を抑えたい方、あるいはターボエンジンならではの力強い走りを重視する方にとっては、ガソリンモデルのRX350が魅力的な選択肢となります。また、圧倒的なパフォーマンスを求めるならRX500hが唯一無二の存在です。
車両価格、予想される燃料代、そしてどのようなカーライフを送りたいかを総合的に判断することが、満足度の高いRX選びの鍵となります。
総括:レクサスRXの燃費は本当に悪いのか
この記事で解説してきた内容を、以下にまとめます。
- レクサスRXの燃費はモデルによって大きく異なる
- 「燃費が悪い」という評判は主にガソリンモデルのイメージから来ている可能性がある
- ハイブリッドモデルのRX350hはクラストップレベルの優れた燃費性能を持つ
- PHEVのRX450h+は充電環境があれば燃料代を大幅に節約できる
- パフォーマンスモデルのRX500hは走りを重視する方向け
- ガソリンモデルのRX350は初期費用を抑えたい場合や走行距離が短い方向け
- カタログ燃費と実燃費には運転スタイルや環境により差が出る
- 競合する高級SUVと比較してもRXの燃費は決して見劣りしない
- 急発進や急加速を避ける穏やかな運転が燃費改善の基本
- ドライブモードのECOモード活用は燃費向上に有効
- タイヤの空気圧は月に一度チェックすることが望ましい
- エンジンオイル交換などの定期的なメンテナンスが燃費を維持する
- 燃費悪化の原因は運転方法やメンテナンス不足も大きい
- 自分の使い方に合ったモデルを選ぶことが最も重要
- 総合的に見て「レクサスRXの燃費が悪い」とは一概には言えない